KTC GROUP50th

自分らしく輝きつづける事業責任者・藤井美由紀さん。
KTCグループでのキャリア形成に迫る

2024.07.18

集団塾事業統括責任者・明倫ゼミナール社長 藤井美由紀さん

多種多様なサービスを提供するKTCグループには、人の循環を支える「グループ内人事制度」があります。今回は、グループ内でさまざまなキャリアのバトンをつないできたスタッフを取材しました。集団塾7レーベルの統括責任者と明倫ゼミナール(集団進学塾)の代表取締役社長を兼任する藤井美由紀さんです。「自分らしく輝きつづける」藤井さんはどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。今の藤井さんを形成する経験やマインドを聴きました。

「仕事を本気で楽しむ」ことを先輩から学んだ20代

 KTCグループでのキャリアは、ペッピーキッズクラブの販売会社の営業職からスタートしました。営業職経験後、異動したFAX指導部では添削指導職を3年、本部で教務職を約7年経験しました。当時はKTCグループの指導といえばFAXを活用した添削指導の時代でした。
 実は営業職ではあまり結果を出せなかったことから、異動当初は指導職で働くことに後ろめたさがありました。「私なんかがこの会社で働き続けてもよいのか」と思っていました。ただ、当時の担当執行役員の方から直接お声がけや応援をいただいたことをきっかけに、気概とやりがいを持って仕事に励めるようになりました。初めて仕事が面白いと思えるようになりました。

 周囲に「仕事を本気で楽しむ」女性社員が多くいたことも大きかったです。仕事の進め方、ペース管理、チェック方法など本当に細かく教えてもらいました。「働くときは本気で目一杯働く、遊ぶときも目一杯遊ぶ」というメリハリも学びました。なので、20代は長期休みの度に海外旅行に行っていましたね。30代になってからは国内旅行が主でしたが、新しく訪れた都道府県の白地図(日本地図)を塗って、47都道府県制覇を楽しんでいました。
 FAX指導部時代に関わった責任者の方のマネジメント方針や、女性の先輩方の生き方が、今の自分の”はたらきかた”のベースになっていると感じています。

怒涛の日々だった「個別指導塾事業の立ち上げ」

 FAX指導本部で教務職経験を5年くらい積んだ頃から、新しい仕事にチャレンジしてみたいと考えるようになりました。職務申告書(年間総括・次年度の仕事上の希望を記載する書類)にも、5年目からは毎年「新しいことに挑戦したい」と記入していました。その2年後に”個別指導塾事業を立ち上げる”と聞き、「ぜひ直接教えることに携わりたい」と立候補をしたら、立ち上げのスタッフに選出されました。
 新規事業の立ち上げは、やはり大変でしたね。怒涛の日々を過ごしていました。個別指導塾が軌道に乗ったときは、本当にやりがいを感じましたし、喜びがこみあげてきました。そこから拡大路線となり、現在のナビ個別指導学院へと発展しています。事業が確立してからは、ナビ個別指導学院の本部兼トレーナーとして運営や教室長育成に携わってきました。

明倫ゼミナール(2013年M&A)の立て直しを通して初めて経営に深く携わる

 実はナビ個別指導学院本部に在籍していた頃、1年間だけ集団塾の授業を行っていた経験もあるんです。KTCグループが買収した愛知県豊橋市の小さな集団塾です。1年間は毎日集団授業を担当していましたね。そのような経験もあって、明倫ゼミナールのM&Aが決まったときに担当執行役員からお声がけがあり、明倫ゼミナールの運営に携わることになりました。2013年の夏でした。
 当時の明倫ゼミナールは生徒数が減り、教室数も徐々に減っていた状況でした。明倫ゼミナールの社員の皆さんも「自分たちがどうなるのか分からない」と戦々恐々とされていたかと思います。毎日教室に出向き、社員の話を聞き、困っていることや不安に感じていることを1つずつ改善するようにしました。”一緒に”立て直しをしたいという想いが伝わってからは、明倫ゼミナールの皆さんが変化を受け入れ、協力してくれました。社員の雇用を守りつつ、事業拡大に転じることができたのは非常に大きなことでした。

最初は戸惑いがあった経営責任者業務

 本当に今だから言えますけど、明倫ゼミナールに異動したときは研修や育成などのトレーナー業務を担当するというお話でした。ただ数年経って急に上長から「明倫ゼミナールのマネージャー業務をやってほしい」と言われ、非常に戸惑いました。「なんで私が?」という心境でした。
 それまで経営やマネジメント業務に携わったことがなかったので、1から勉強させていただきました。取締役員主催のジェネラルマネージャー会議や経営勉強会に数多く参加しました。諸先輩方のお話を伺っていくなかで、事業責任者のマインドや考え方を少しずつ学ばさせていただきました。最初のうちは葛藤も大きかったのですが、周りの方に助けてもらいながら、少しずつマネジメントや経営ができるようになっていきました。

「私ならできる」と思ってくれているから任される

 自分のキャリアを振り返ると、「目の前の仕事に一生懸命に取り組んでいれば、周囲の人が次のステージや新しい道を指し示してくれる」ことが多かったです。そして経営勉強会では「絶対できないと思われている仕事は舞い込んでこない。だから”やってほしい”と言われたことは、あなたならできると周りが判断した仕事。迷わず取り組むべきだ」と教えてもらいました。「やれると思ってくれているなら挑戦しよう、もしダメでもその時は違う役割に変わるだけ」と考えるようにしたら、肩の力が抜けましたね。まずは1回全力でトライしてみることが大事だと思います。私はその繰り返しで、自分の視野や経験が広がっていきました。

集団塾事業の統括責任者・明倫ゼミナール社長を担い、公私ともに自分らしく過ごす

 現在はグループに7レーベルある集団塾をまとめる「集団塾統括責任者」を担っています。それぞれの集団塾レーベルの経営やマネジメント、責任者育成を行っています。近年M&Aして仲間に加わった塾も多いので、集団塾合同での幹部会議や勉強会に力を入れています。また明倫ゼミナールの代表取締役社長も兼任しています。

 結婚(2019年)を機に働き方を変え、夫に合わせて勤務時間を少し前倒しました。家庭内で他業界や他企業の話を聞くことが増えました。仕事や会社の在り方の視野も広がり、改めてKTCグループの特色や特長がよく分かるようになりましたね。二人とも旅行が好きなので、現在は日本100名城めぐりが共通の趣味になっています。神社仏閣を見るのも好きなので、御朱印帳も集めています。昔と変わらず、長期休みの旅行をご褒美にして仕事を頑張っています。

現在統括責任者を務める集団塾事業(藤井さん:前段左から5人目)

2026年4月開校「みえ大台おおぞら高等学校」の校長へ就任予定

 昨年12月(2023年12月)、KTCグループの学校法人KTC学園と三重県多気郡大台町が広域通信制高等学校の新規設置計画に係る基本合意を締結したことが発表されました。おおぞら高校として2校目を三重県大台町につくるべく、準備がすすんでいます。その校長に就任することが決まりました。
 最初にお話をいただいたときは、耳を疑いましたね。1校目の屋久島おおぞら高等学校は脳科学者の茂木健一郎氏が校長に就任されているので、知名度の無い一般女性である私で本当にいいのかと思いました。詳しくお話を伺う中で”やれると思ってくれているから頼まれている”ということを踏まえて、チャレンジしてみようと決めました。今まで携わってきた塾業界とはまた異なった仕事になるので、早くもたくさんの刺激をいただいています。 

 年齢的に体力も落ちてきましたが、老後を楽しみに”やれるところまで頑張ろう”と思っています。おこがましいですが、KTCグループで働く女性社員のロールモデルになれるように、笑顔で明るく仕事に取り組むよう心がけています。自分ができる範囲で、楽しみながら自分らしく頑張っていきたいと思います。

みえ大台おおぞら高等学校開校予定の三重県多気郡大台町
校舎に改修予定の領内地域総合センター(三重県多気郡大台町)

「楽しみながら仕事をするマインドやパワー」をバトンとしてつなぎたい

 集団塾事業部スタッフには、自分たちの生活も豊かにしつつ、子どもたちに夢を与えられるバトンをつないでいってほしいと思います。現在ある7レーベルのほとんどが、M&AによりKTCグループに参入した塾です。新しい企業グループに参加して、さまざまな考え方に触れたり、同じような悩みを持った別の塾の先生との出会いがあったはずです。それらを楽しみながら仕事ができる環境やマインドをつくっていきたいですね。
 もう1つはやはりKTCグループの女性スタッフへパワーをつないでいきたいです。私自身、本当に何度も何度も挫折しながら、ここまで長く勤めてきました。50年以上続いているKTCグループをもっともっと女性のパワーで盛り上げていきたいと思います。

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